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外国人技能実習制度

建設関係職種等の対象職種実習生は建設キャリアアップシステムの登録が必要

令和元年8月26日、『特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領-建設関係職種等の基準について-』が公表されました。

その中に、実習生受け入れ要件の一つとして、キャリアアップシステムの登録が求められています。

○ 建設関係職種等に属する作業に係る技能実習を行わせる体制の基準として、申請者が技能実習計画の業種の欄において日本標準産業分類D―建設業を選択している場合に限り、次のことが求められます。

1 申請者が建設業法第3条の許可を受けていること。
2 申請者が建設キャリアアップシステムに登録していること。
3 技能実習生を建設キャリアアップシステムに登録すること。

特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領-建設関係職種等の基準について-
出入国在留管理庁・厚生労働省・国土交通省 編

『国土交通省は、技能実習生に限らず技能者全員を建設キャリアアップシステムに登録することを通じて、建設業界における客観的基準に基づく技能と経験に応じた賃金支払いの実現を図っていきたいと考えています。』とも記載があるように、待遇改善を目的とされてるようです。

尚、この基準は下記日付以降の申請から適用されます。

1 令和2年1月1日以降に、新規の認定申請をする第1号技能実習計画
2 令和3年1月1日以降に、新規の認定申請をする第2号技能実習計画
3 令和5年1月1日以降に、新規の認定申請をする第3号技能実習計画
それより前に新規の認定申請をする技能実習計画や、旧基準で認定を受けている技能実習計画の変更申請については、本基準は適用されません。

特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領-建設関係職種等の基準について-
出入国在留管理庁・厚生労働省・国土交通省 編

建設キャリアアップシステムの詳細については国土交通省Webサイト等をご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_fr2_000033.html

尚、現在はコロナウィルス 感染防止策として以下の通り対応しているようです。

建設関係職種等に属する作業に係る技能実習を行わせる場合には、建設キャリアアップシステムへの事業者登録及び技能実習生の技能者登録が必要とされているところ、新型コロナウイルス拡大防止の観点から、建設キャリアアップシステムの運営主体である(一財)建設業振興基金において「建設キャリアアップシステムへのインターネット申請は引き続き可能であるものの、建設キャリアアップシステムの登録に係る審査業務を当面の間停止することとした」旨、国土交通省より情報提供がありました。
つきましては、当面の間、建設関係職種等に属する作業に係る技能実習計画認定申請を行う際は、以下のとおり取り扱うこととします。
・申請時「建設キャリアアップシステムへの登録申請を行ったことを証明する書類 (メールの写し)」を添付することで申請可能。
・登録が完了した場合
速やかに事業者IDを明らかにする書類(メール「【建設キャリアアップシステム】事業者情報新規登録完了「事業者 ID」のお知らせ」またはハガキ「建設キャリアアップシステム事業者情報登録完了のお知らせ」の写し) を地方事務所・支所認定課へ提出。

技能実習機構Webサイト 令和2年4月17日公表

上記の通り、『建設キャリアアップシステムの登録に係る審査業務を当面の間停止することとした』旨が国交省より情報提供があったようです。

以上が建設キャリアアップシステムの登録の流れになります。

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技能実習計画の認定基準

技能実習の目標に関するもの

○ 技能実習が修了したときに到達すべき技能等の水準として、第1号技能実習から第3号技能実習の各段階において目標を定めなければなりません。
○ 第1号技能実習の修了時においては、第2号技能実習に移行する予定がある場合には、技能検定又は技能実習評価試験(以下「技能検定等」という。)の実技試験と学科試験の受検が必須とされ、基礎級への合格を目標としなければなりません。
 第2号技能実習に移行する予定がない場合には、基礎級への合格を目標としなければならないわけではなく、修得をさせる技能等を要する具体的な業務ができるようになること及び当該技能等に関する知識の修得を内容とするものであって、かつ技能実 習の期間に照らし適切な目標を定めることも可能です。
○ 第2号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、3級の実技試験への合格を目標としなければなりません。
○ 第3号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、2級の実技試験への合格を目標としなければなりません。

技能実習制度 運用要領 法務省・厚生労働省 編

上記にある通り、外国人技能実習生は各実習段階の修了時に、技能検定又は技能実習評価試験を受験し、合格することを目標として定めることが必要です。

1号では実技試験及び学科試験の受験が必須であり、目標に掲げた試験を合格しなければ2号に移行ができません。

2号または3号では実技試験の合格を目標とする必要がありますが、学科試験の合格は必須ではありません。
ただし、学科試験も合わせて受験することが勧奨されています。

実習2号を終えて3号に移行せず帰国する場合でも、技能検定等は原則受験する必要があります。これは、実習計画の目標として各段階のレベルに相当する検定の合格を定めることが原則となっているためです。
実習3号修了の際も同様に、上級試験等の目標を定めることが原則とされていますので、こちらも注意が必要です。

普段の実習で当該技能を習得させることはもちろんのこと、試験に向けて日本語の学習をさせることも大事だと考えられます。

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外国人技能実習制度について

平成28年11月18日に成立、11月28日に公布された『外国人技能実習法』ですが、旧制度(平成28年11月17日以前)に対してどのような違いがあるのか、ポイントを運用要領から抜粋しました。

技能実習制度の趣旨

技能実習制度は、我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上国 等への移転を図り、その開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度であり、これまでは「出入国管理及び難民認定法」(昭和 26 年政令第 319 号。以下「入管法」という。)とその省令を根拠法令として実施されてきたものですが、平成28年の技能実習制度の見直しに伴い、新たに技能実習法とその関連法令が制定され、入管法令で規定されていた多くの部分が、この技能実習法令で規定されることになりました。 


ただし、制度の趣旨は以前と変わりがなく、その趣旨をより徹底するために、基本理念として「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(法第 3条第2項)と明記されています。技能実習制度は、我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上国 等への移転を図り、その開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度であり、これまでは「出入国管理及び難民認定法」(昭和 26 年政令第 319 号。以下「入管法」という。)とその省令を根拠法令として実施されてきたものですが、平成28年の技能実習制度の見直しに伴い、新たに技能実習法とその関連法令が制定され、入管法令で規定されていた多くの部分が、この技能実習法令で規定されることになりました。 

技能実習制度運用要領 出入国在留管理庁・厚生労働省 編より

技能実習法のポイント

平成28年11月18日に成立し、同月28日に公布された技能実習法は、それまで入管法令によって、在留資格「技能実習」に係る要件等とされていた種々の規定 を取りまとめ、さらに制度の抜本的な見直しを行って、新たに技能実習制度の基本法として制定されたものです。 

旧制度においては、法務省令で技能実習計画書の作成、提出を規定しており、 監理団体が技能実習計画を作成し、個々の技能実習生の在留資格認定証明書交付申請等の手続の中で、地方入国管理局が確認していましたが、技能実習計画としての認定を行っているものではありませんでした。 

新制度においてはこれを改め、技能実習を行わせようとする者(実習実施者) は、技能実習計画を作成し、その技能実習計画が適当である旨の認定を受けることとされ、技能実習計画に記載しなければならない事項や申請の際の添付書類が、技能実習法及びその関連法令で規定されています。 

ただし、認定を受けた場合であっても、その後、認定の基準を満たさなくなった場合や、認定計画のとおりに技能実習が行われていない場合等には、実習認定の取消しが行われることになりますので、常に法令等の基準を満たして技能実習を適正に行わせる必要があります。

技能実習制度運用要領 出入国在留管理庁・厚生労働省 編より

旧制度(平成28年11月17日以前)においては、技能実習生に関する実習計画は、入管が確認するのみで、認定を行なってるものではありませんでした。これを、法律上、認定を受けて実施ができるものと明記されたと考えます。

認定を受けた場合であっても、その後、計画通りに実習が行われていない場合等には、認定の取消しが行われるとも記載されています。
実際に、計画認定の取消しが行われた事例もあるようで、その場合は厚労省のHPにて情報公開されるようです。

このように、現在の技能実習制度は、国から認定を受けて初めて受け入れ・実習実施できる制度となっています。

本制度についての最新情報は、外国人技能実習機構のHP等にて更新され、新しい情報は、実習生を受け入れてく上でおさえておくべきものですので、注意が必要です。

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技能実習制度における優良要件項目(日本文化を学ぶ機会の提供)について

先日、技能実習制度における人数枠について、下記の記事を書かせていただきました。

外国人技能実習制度における人数枠の算定と、優良要件項目について

人数枠の詳細については、上記記事を閲覧ください。
実習生を受け入れられる人数は、技能実習法で上限を決められているのですが、現制度では、優良と認められた企業においては、その人数枠が増え、また在留期間も3年間から最長5年間へ延長することが可能です。(1号、2号に加え、3号の受け入れも可能になる。1号、2号等について良くわからない方は、上記記事で簡単に解説してますのでご参考ください。)
そして、今回は、人数枠の拡大が可能になる優良企業になるための加点項目のひとつ、『日本文化を学ぶ機会の提供』について書いていきたいと思います。

優良要件の加点項目とは?

おさらいしますが、優良企業と認められるには、『優良要件適合申告書』という申告書を機構に提出します。この申告書には、様々な項目が設けられており、実習生の専門級試験の合格率や、賃金額と昇級率、失踪を出していないか、指導員が講習を受けたかなどで加点・減点され、120点満点中72点以上を獲得すれば優良企業と認められます。
例えば、加点項目のひとつの賃金額と昇級率でいえば、1号実習生賃金額がその地域の最低賃金額と比べて115%以上であれば加点されます。(ただし、全員115%以上であることが必要。)
しかし、毎年、最低賃金額が全国で上がっている中、上記水準を保ち続けるのは難しい企業様も多いと思います。良い環境・待遇で実習生を受け入れていくのはもちろん目指すべきところではありますが、完璧に整えることは難しいので、実施しやすい項目から実施していくのも一考です。

どの企業でも実施しやすい加点項目

加点項目の中には、『日本文化を学ぶ機会の提供』、『日本語を学ぶ機会の提供』、『地域社会との交流を行う機会の提供』という項目があります。この3項目については比較的どの企業様でも実践しやすいものかと思います。

その中でも今回は、『日本文化を学ぶ機会の提供』について説明していきたいと思います。

日本文化を学ぶ機会の提供とは?

日本文化を学ぶ機会の提供と言っても、どこまで企業側が実施すれば良いのでしょうか。

技能実習制度の運用要領には、下記の具体例を挙げています。

・季節ごとのイベントを実施(正月、花見、月見等)
・文化講習を実施(実施者の施設内もしくは実施者の主導による茶道体験、折り紙、着付け、和食作り等)すること
・外部の文化講習等を受講する際の金銭的支援をすること
・社会科見学(博物館・美術館・寺院等の見学)を実施すること

また、該当しない例として、「実習生と日本食を食べにいく」「一般人向けのイベントを単に周知する」といったものをあげています。

近くに寺院や常設展のある博物館があればそこに行くのも良いですし、毎年初詣に行く企業様ならば、実習生にも参加を呼びかけるのも良いと思います。
もしも近くに何もなく、文化講習も受けられないのであれば、企業様の主導で、折り紙を教えたり、和食作りを行うのも実施しやすいかと思います。


以上、簡単に書かせていただきました。
別の話にはなってしまいますが、昨今、残念ながら劣悪な環境で実習生を酷使している企業も多いようで、実習制度については、メディアでもマイナスイメージの放送をされることが増えてきました。

優良企業としての取り組みを行っているならば、どのような取り組みをしているかを、機構始め地域の方々にわかっていただくのは悪いことではありません。
自分たちはきちんと実習生を受け入れているんだということを積極的に周知することも大事だと思います。
日本文化を学ぶ機会の提供や、地域社会との交流を行う機会の提供等は、単に優良要件の加点項目とだけ捉えるのではなく、実際に、整った環境で実習生を海外から受け入れているんだということを周りに理解してもらう大事な取り組みにもなると思います。
実際に、無事に期間満了して笑顔で帰国する実習生もたくさんいますが、そういったプラスイメージの報道はなかなかされませんので、問題なく実習生を受け入れている企業様や監理団体が、自ら自信を持って発信していけば、マイナスイメージの払拭ができるのではないのでしょうか、と考えます。

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外国人技能実習制度における人数枠の算定と、優良要件申告について

既に実習生受入を行なっている企業様はご存知の通りと思いますが、技能実習制度では、受け入れられる実習生の人数に上限があります。

この記事では、理解しているつもりでも理解できていなかったかもしれない、『技能実習』という在留資格の在留期間と、受入人数について改めて説明していきます。

(今年4月に新設された在留資格『特定技能』や、建設業のみのオリンピックまでの特例措置で設けられた『特定活動』は、仕組みは似てますが全く違う在留資格です。ややこしいですがお間違いないようにご注意ください。)

常勤職員とは、注釈の通り、週30H以上及び週5日勤務の職員のことと言われています。

ただし、企業によっては、短時間勤務のアルバイトやパートを多く雇用し、常勤職員数が少ない企業も多くあると思います。

旧制度では人数枠はどの企業においても、ひとくくりに確定されたものでしたが、現行制度では、優良な監理団体・実習実施者(雇用側企業)に限り、人数枠の拡大とさらなる期間延長(3号への移行)ができるようになりました。

優良企業の場合の人数枠については、下記のような計算式で公表されています。

『基本人数枠』は始めに紹介した図を参照ください。

ただし、上記だけ見てもわかりづらいと思います。1号で2倍、2号で4倍、3号で6倍という点で疑問に思われる方もいると思いますので、下記のようなチャートを作成してみました。

・基本人数枠3名の企業が優良要件適合申告をした場合

上記チャートのように、毎年連続して実習生を受け入れた場合、3年目に一期生・二期生の第二号期間が重なるのがわかると思います。この重なりの期間があるために、『基本人数枠(上記例だと3名)から2年間で4倍=12名』としてるのです。

また、最下部に、『他企業などから新たに受け入れ』の3名を追加しました。これは、全企業が3号実習生の受け入れをできるわけではないので、他企業からの実習生も受け入れられるように、『基本人数枠から6倍』の人数を受け入れられるようになっています。

次に、1号〜3号の在留資格についてです。

技能実習生になる外国人は、まず『技能実習1号』という資格を持って、日本へ入国します。
この時点では実はまだ、実習生達は1年間の在留期間しか与えられていません。

『技能実習1号』という在留資格は、1年間の在留期間なのです。

在留カードにも期間は1年間で記載されています。初めて受け入れる企業様によっては在留カードを見て驚かれるかもしれませんが、間違いではないので安心してください。

実習生達は、この『技能実習1号』の1年間のうちに技能を学び、技能検定試験等の試験を受けます。その試験に合格できた実習生が、在留資格『技能実習2号』を取得できるようになります。

在留資格『技能実習2号』は、現在80職種144作業(農業、漁業、建設、製造業等)に限って認められている在留資格であり、2号は2年間の在留期間があります。
1号(1年間)から2号(2年間)へ在留資格を変更する手続きを行い、合計で3年間在留できるということになります。
(※逆に言えば、在留資格1号の資格を取得するのみなら、80職種144作業以外の職種でも申請対象となります)

続いて、よく言われる「最長5年間の在留が可能」というのはどういうことなのか?

これが現行制度より新設された在留資格『技能実習3号』です。3号は、2号と同じく2年間の在留資格があります。

『技能実習2号』を取得する際と同じように、2号での在留期間中に試験を受けます。その試験に合格できた実習生が、『技能実習3号』の資格を取得できると、1号(1年)+2号(2年)+3号(2年)で、合計5年間在留が可能ということになるのです。

また、3号の受け入れは、どの企業でも行えるものではありません。
職種も2号で認めれられている80職種144作業から、73職種129作業に減ります。そして、優良と認められた監理団体、実習実施者でないと3号の受け入れはできません。

自らが優良監理団体または実習実施者であることを申告する『優良要件申告書』を技能実習機構へ提出し、それが問題なく受理されれば初めて、3号への移行・実習継続が可能となります。
毎年申告書を提出する必要がありますので、実習環境を維持していくことが大切です。

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外国人技能実習制度 特定技能

働き方改革は外国人技能実習生も対象

2019年4月1日に、働き方改革がスタートしました。
働き方改革について簡単にまとめると、以下の3本立てになっています。

・時間外労働の上限規制
・年次有給休暇の時季指定
・同一労働、同一賃金

上記、大企業は既に全て対象となってます。
中小企業は来年から対象となりますが…

・年次有給休暇の時季指定

これだけは、中小企業も今年から(2019/4/1〜)対象です。
実習生にも働き方改革は適用され、年次有給休暇5日の取得も義務化されます。

ここでは厚労省の資料を元に、有給休暇について注意したいポイントをまとめていきたいと思います。
※尚、本記事含めて本サイトにある記事は個人的見解をまとめたものです。あくまでも参考までに、明確な回答を求めたい場合は厚労省等にお問い合わせください。

https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/salaried.html

いつ付与した分からが対象?

2019/4/1以前に、すでに付与されてる分に関しては、5日取得義務の対象ではありません。
2019/4/1以降、初めて付与された分から毎年5日の有給休暇取得が義務づけれらます。(10日以上の付与があった場合のみ)

技能実習生の場合ですが、実習生は2号まで修了した際、3年の実習を終えて帰国します。
最後に有休を付与されるのが2年6ヶ月後だとしたら、半年以内に最低でも有給休暇5日を取らせなければならない点に注意が必要です。
帰国が近づくと、中には、できるだけ残業もして稼ぎたい!と希望して有休を取らない実習生もいるかもしれませんが、本人が希望しないからと言って有休を取らせないと、今後、罰則が科される可能性があります。

政府の公表してるQ&Aにも「本人が有休休暇を拒否しても法違反を問われる」とあります。
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/salaried.html

会社が有休期間を指定することも可能

また、繁忙期にはなるべく休んで欲しくないという企業様も多いかと思います。
今回の法制度では、あらかじめ有給休暇を会社で計画し、会社が時季を指定することも可能のようです。
時季を指定して休ませた有休に関しても、5日取得義務化分にカウントできます。(ただし、取得者が自由に使える有給休暇を5日残しておく必要があります。)

この方法を導入するには二つの手続きが必要と言われています。
一つは就業規則を設けること、もう一つは労使協定を結ぶこと。

ここで実習生、特定技能就労者を受け入れてる企業が注意したいのは、
・有給休暇の5日取得は義務だということ
・上記を拒否して働いてしまうと、会社が罰則を課せられる可能性があるということ
この二点をきちんと理解した上で、説明することが大事です。

詳しくは、厚労省へお問い合わせください。
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/salaried.html

有休管理簿を作成する

有給休暇の管理簿を会社で作成していなかった、というケースもあるかもしれません。

実習生(もしくは特定技能就労者も)を受け入れるにあたっては、労務管理を怠ると外国人技能実習機構(または入管)より指導、改善命令等出される可能性も出てきます。

実習生の有給休暇管理簿も必ず作成して、実習生が自分の有休について「どれだけ付与されてるか」「どれだけ使用してるか」を把握させることも必要だと言われています。

国が今一番見ているのが、外国人労働者の待遇です。
日本人と同等以上の賃金、日本人の平均的な居室面積の確保、労働基準法を周知させ理解させているかなど、全ての環境を整えるのは大変手間のかかる作業だと思いますが、今一度、保管すべき帳簿書類を始め、労務管理体制がきちんと取れているかを見直し、働き方改革に備えていくことが大切と思います。

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外国人技能実習制度 特定技能

特定技能と技能実習の違い

2019年4月1日に出入国管理法が改正され、特定技能の受け入れが始まりました。これから受け入れを検討する企業様も多いと思いますが、ここで改めて特定技能と技能実習制度の違いをおさらいしようと思います。

基本的な違い『在留資格』

技能実習制度によって入国した実習生達は、在留資格『技能実習』という資格を持って入国、”実習”します。実習生は実習が目的の在留資格ですから、就労目的で入国してるわけではありません。対して『特定技能』は専門的な技能の”就労”を目的とした在留資格です。

この違いによって、何が変わってくるのか。
例えば、技能実習では原則実習先(いわゆる雇用先)の変更はできませんが、特定技能は転職が可能ですし、技能実習では”実習”であるがため、そもそも残業が発生することは想定されておらず、技能実習計画の時間から一定以上労働時間を増減させる場合には変更届または変更認定を出す必要があります。
特定技能に関しては、残業時間については明文化されておりませんが、日本人と同等の待遇を求められてるということは、日本人以上に働かせてはならないし、日本人以下の時間数も望ましくないと思われます。

二つの在留資格の比較

入国管理庁が公表している資料では、以下のような違いがあります。


 http://www.moj.go.jp/content/001293198.pdfから引用

技能実習制度との大きな違いはやはり”転職可能”という点と、就労目的の在留資格であるというところでしょうか。

また、公表されている運用要領を元に、上記以外で個人的に気になった部分を比較して一覧にしてみました。

特定技能で受け入れた外国人のため確保した住居についても、広さの条件があるようです。ただし実習生を受け入れた後、実習生本人が特定技能へ資格変更して継続して住む場合などは、技能実習制度で満たす条件(寝室4.5㎡)でも大丈夫なようです。

実習制度ではなかった部分で注意したいのが、特定技能就労者を受け入れるために、他従業員を非自発的に離職させたことが発覚した場合には、特定技能の就労者を受け入れられない可能性が高いという部分です。
人手不足解消のため作られた在留資格であるため、特定技能就労者を受け入れたいがためにリストラ等させるということは、主旨に沿わないためと入管の出している運用要領にもあります。

また、実習制度では、優良要件等にあった日本語学習の支援、日本人(地域社会)との交流促進が、特定技能では実施義務化されています。

細かい部分での違いに注意

技能実習では『技能実習計画』を作成し計画に沿って実習実施しますが、特定技能1号においては『支援計画』を作成し、計画に沿って支援を実施しなければなりません。基本的な構造は似ていますが、各法の主旨に沿った規則が細かく決められているので、注意深く確認していく必要があります。

技能実習、特定技能共に、技能実習法と入管法によって法で定義されています。知っていた知らなかったに関わらず、規則に反することをしてしまえばそれは違反となり、罰則が科されることもあるでしょう。

受け入れ側も外国人も問題なく雇用関係を結ぶには、受け入れ側の事前準備・情報収拾がとても大切と思います。